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第17回文学フリマ 読書感想文⑦ E-01・雲上回廊さん 『幻視コレクション‐失われた一葉の架空‐』 ラスト

文学フリマで買った、雲上回廊さんの本「幻視コレクション」、感想文ラスト! 

ゴールだ……GOAL!! まるで昨日の本田のシュートの様な気分の良さ!


……俺、熱を入れる方向を間違えてますよね? ま、いっか!



(注=あくまで個人的感想です。また、作品のネタバレが普通に入っちゃいます。思いのまま書き記したいので推敲も行わないから、誤字・脱字があるでしょう。すべて含めて、こんなやつだとご了承ください)


5話 invisible faces 著:高村暦さん
=俺はそもそもこの人の作品を読むために買ったのに、最後に感想を書くことになっちゃった。前回読んだ『匣と匠と匣の部屋‐wir‐』(以下、『匣』)が素晴らしくよかったのだ。前にこのHPで感想も書かせていただいたのですが、ひとことで言うと「すばらしき悲劇」となるかな。しかし、今回は『幻視=幻想的な、妄想的な』というイメージテーマのある小説集の中の掌編である事から、『匣』とは違う作風なのかな、と感じていた。見本コーナーで軽く立ち寄んだ感じからも、そう受け止めていた。

しかし、読み終えて、読み返して、考察すればするほど、やはり「すばらしき悲劇」と言えた。ただし、カラーが違う。『匣』は白で、『invisible faces』は黒。物語が進むにつれて静かに溶け消えていく感覚を与えてくれた『匣』と違い、『invisible faces』はじわじわと広がる真っ黒な真相・感情が頭の中に広がって、妄想させられて、埋め尽くされて終わっていく。それでも同じなのは、終わるしかない走馬灯の中を覗かされるような、喪失的・退廃的な、どうしようもなさを感じてしまうからだと思う。そして、私は真っ黒な方が大好物である。だって、目を閉じるだけで同じになって、イメージしやすいから。死にたくはないし、殺したくはないけどね。正直、主人公はこのイメージによく潰されなかったと思う。


物語は、主人公の男性の一人称で進んでいく。貧しい下賤なカメラマンとしての生活、それでも彼女とのささやかな幸せを感じられる生き方、彼は彼女を壊したい思いを抱き葛藤する。自分の撮る写真の異質、マニュアルな遺書を忍ばせる自分を当然と捉え、彼女との生活を理性で受け止める(本能から受け入れられないのではないか?)ような思考……全てが現実であり、進行している話であると思わされるが、これは回顧録……上記で書いた、走馬灯を覗かされる感覚そのままだ。最後のエピローグ的な現実が、酷く淡白で、理解しろよと言われているようだった。彼女の仕事は正直分かっていた。それまでの展開で、主人公と同じく真っ白な仕事ではないだろうと、察するさ。そんなオチに関心する事よりも、終わった現実と妄想をまじ合わせて動かし、進行していく描き方がうまくてそれどころではないのだ。作品の前説として編集者の秋山さんが紆余曲折を経て・文学的挑戦、と書かれているが、さもありなん。現実的に陥ってしまう幻視(病)として受け止められてしまう、ひどく重い。けれど、すばらしく読み込んで主人公の思考をふかぼりしたい作品だ。主人公の真相・時間の流れなんかも思い描き、パネルにしようと思ったが、思い切って文章で書く気にもなった。面倒になった訳じゃないですよ(笑) あまりネタバレばかりも失礼だし……

最後に、主人公の思考ルーチンだけ、自分なりに思うところをそのままに書いてみようと思います。飛ばすのを推奨します(笑)

彼女とのささやかな幸せが、普通のカップルであることが、きっかけから終わりに至るまで、普通のものではないと感じていた。自分の仕事(アングラ・エロ系のカメラマンか。スカウトされた『今までにない本』は、死んだような写真がとれる=さも本当の死姦・殺害の画をとれるからとして? 名前を出さないのは主人公のためになるのは当然だし、出版社としてもあとくされなく逃げやすいだろう)や彼女の仕事(夜のお仕事。最後の子供の経緯からみて、本番あり風俗か)でそれが募っていき、カップルごっこを終わらせたい=自分の手で、といった葛藤を思うに至る。しかし、彼女との喧嘩からそれが変わっていく。なぜ、写真に撮れないのか……自分の写真は死がうつる、彼女を殺してしまう……葛藤の中で描いたそれを、主人公は結局否定している・否定したい自分がいる、その中で彼女と撮った証明写真。笑いあった2人、死が見えない写真に、主人公の心は変わった。それでいて退廃していくのは、この後に彼女に誰とも知らない子供が生まれて新たな心の葛藤が生まれる中、亡くなってしまったからだろう。しかも、自分が撮っていたホールが(元教会で、挙式も思い描いた場所)葬儀場となるのだから……黒から白へ、また黒へ……この走馬灯は、何も間違っていない。ただ、悲劇なのだ。すばらしく、重く、暗く、どうしようもなく、終わってしまった。破かれた遺書は、死に方すら分からなくなってしまった暗示か、はたまたトリガーか。

なんにせよ、彼に未来視はない。あるとすれば、亡き彼女との幻視である。






これにて、完! 好き勝手に書いてすいませんでしたが、それだけ好きなので勝手したのです。てへぺろ。


おそまつさまでございました。








あ、まだ2冊あるんだ。う、うん、頑張るぞ!




テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
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